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2016
5月レッスンテーマ「安定した脚を身につけてバランスを強化しましょう」
「がんばって合図を送っているつもりなのに、思う様に馬が動いてくれない」という経験をお持ち方も多いのではないでしょうか。今月はその悩みを解消するために2つのことに注意して練習してもらおうと思います。
その2つのポイントとは
1.正しい位置で脚を使えているか
2.馬の邪魔をしていないか
です。
1.について
正しい位置を脚で挟めれば馬は合図に反応しますが、脚の位置が悪いと合図を送ってもちゃんと反応してくれません。強くキックしたとしても、それほど馬が反応してくれない時の多くはこの原因が考えられます。
2.について
馬は人を乗せて走るとき、騎乗者のバランスが崩れると走りづらさを感じます。走りづらい状態で脚の合図を送っても、充分な反応は得られません。また馬を走らせようとして強くキックをしようとすることで、同時に体全体に力が入り、無意識に手綱を引っ張ってしまうことがよくあります。せっかく走ろうとした馬もこれでは気持ちよく走ることができません。馬を走らせたい時は、強い合図を送るだけでなく、バランスを崩したり、手綱を引っ張ってしまうことをなくすように気をつけることが大切です。
練習① 脚の位置を確認して、じっとする練習
まずは停止状態で、正しい脚の位置を確認しましょう。脚は腹帯のすぐ後ろに位置するようにします。脚の位置が前になると、腹帯と重なり挟んでも合図が上手く伝わりません。また脚が後ろに行き過ぎると、踵が上がることが多く、鐙が安定して踏めなくなるので馬体をしっかりはさむことができません。また脚の位置が前後することで、上半身の姿勢もまっすぐに保てず、バランスの崩れる原因になってしまいます。
正しい脚の位置を確認できたら、そのまま「立つ座る」をしてみましょう。立っても座っても脚の位置が変わらないように注意します。軽速歩をすると脚が前後に動いてしまうことがよくあります。脚の位置を安定させることで正しい位置に合図を送ることができ、効率的に馬を動かすことにつながります。
また、脚をじっとさせるための補強運動もやってみましょう。脚の安定にはしっかりと馬体を挟める力も必要です。まずは停止状態で鐙を脱ぎます。脚はぶらんと下ろさず、膝で鞍のあおり革をはさむようにします。脚全体で馬体をしっかり挟んでお尻を上げて立ってみましょう。鐙のない状態で馬体を挟んで立てるでしょうか。この動作を5回もやれば充分です。たった5回で筋肉痛になる方もいるかもしれません。しっかりとお尻が上げられるくらい挟める力があれば脚の位置も安定しやすくなります。
脚の位置が安定すれば自然とバランスも崩れにくくなります。不安定な馬の上でも下半身が安定すればバランスを崩すことが減るはずです。脚の位置を安定させることが、①、②の両方を解消することにつながってくるはずです。
動いた馬で実践練習
もちろん普通に軽速歩をするだけでも、自分の脚の位置やバランスに意識を向けながら乗るだけで、とてもいい練習になります。
それでは、慣れてくれば、練習にアレンジを加えてみましょう。
練習② 軽速歩で横木をまたいでみましょう。
蹄跡上に置かれた横木を、軽速歩でまたいでみましょう。ただまたぐだけなら何も難しくありません。大切なのは、またぐ瞬間に騎乗者のバランス・リズムが崩れないことです。横木をまたぐ瞬間は、馬の反動が大きくなります。また、またぎ終わった直後は少しスピードがあがることもあります。
◎横木をまたぐ瞬間に手綱を引っ張ってしまわないように
◎またぎ終わった直後にお尻が鞍に落ちずに、そっと座れるように
この2点に注意しながら練習してみましょう。
安定してできるようになれば、またぐ横木を2本・3本に増やしたり、クロスバーにして練習してみましょう。
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